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この日の弘前は、朝から吹雪であった。
ここまで使用した北東パスとは別に弘南鉄道の一日乗車券を購入し、同鉄道の魅力的な駅をめぐっていきたいと思う。
ここではかつての東急電鉄7000系が活躍しており、東京出身の私としては懐かしい感覚を覚える。
1駅目は館田駅で下車。雪に打たれる古い駅舎がどこか哀愁を帯びている。
上り列車で弘前方面へ戻る。弘南鉄道は全線に渡り単線なので、行ったり来たりすることで効率的に訪問できるのである。
2駅目は弘前東高前駅で下車。設備は古いが立派な駅舎を有している。
下り列車で次なる駅へ。
3駅目は田舎館駅である。いかにも中小私鉄という感じの、小柄でレトロな駅舎である。
しかしながら内装はアーティストによる装飾が実施されており、非常に個性的な駅でもある。
上り列車で戻っていく。雪が止んで日差しが出てきた。
4駅目は柏農高校前駅。周囲を田んぼに囲まれた小さな無人駅であるが、地元高校生などにより待合室などが赤く塗られているのが特徴である。
次の下り列車で終点の黒石へ向かう。
この到着を以て弘南線は全線制覇である。
駅構内にはラッセル車と電気機関車が留置されている。非常に古いタイプだが、いまも現役で稼働中とのことである。一度は動いている姿を拝んでみたいものである。
終点ということもあってか、駅舎もそれなりにリニューアルされて綺麗に使われている。
終点まで来たというわけで、ここからは一気に弘前へ戻る。
弘前駅から20分ほど歩き中央弘前駅へ移動した。この駅舎も古くて趣がある。こうした味のあるターミナル駅も減ってきたように思う。
ホームも川のほとりにあり風情がある。
ここから出ているのは弘南鉄道のもうひとつの路線である大鰐線である。午後からはこの大鰐線の駅をめぐっていくことにする。
1駅目は千年駅。「ちとせ」と読む。質素な構造だがここも古い駅舎が残っている。
こちらも単線なので行ったり来たりして多くの駅を訪問していきたいと思う。
2駅目は弘高下駅。さきほどの千年駅と似たデザインだが、こちらはやや無骨な印象を受ける。
昔ながらの水飲み場も残っている。凍結しているのか、もう使えないのかは不明だが、水は出なかった。
3駅目は石川駅である。こちらも先の2駅と非常に似ているが、トイレ付きの待合室が併設されており、すこしだけ豪華な仕様である。
かなりストレートな注意喚起も印象的である。
ホームの屋根は非常に古そうなものが残っている。
続いてやってきた4駅目は津軽大沢駅。ぎりぎり踏ん張っている駅名標がなんとも愛おしい。
こちらはこれまでの3駅とは異なり、典型的な木造駅舎という雰囲気である。車両基地も併設され大鰐線の拠点となっており、日中はここで列車交換も行っている。したがって次の列車は、上りも下りも1時間後である。
それはもったいないというわけで隣の駅まで歩くことにした。
弘前らしいりんご畑が一面に広がるが、1月なのでさすがに実はない。
と思いきや、1本だけ実が残っている木を見つけた。
15分ほど歩き義塾高校前駅に着いた。駅周辺はただ、りんご畑が広がり静かな空気が漂う。
弘前の厳しい寒さが一段と深まってきた。このまま終点の大鰐駅に向かった。
大鰐駅のホームは名物のこけしをモチーフにした照明があり、この小さな駅を温かい光で包んでいる。
さて、ここからは久しぶりにJRでの移動となる。この日はさらに南の大館に宿を取っていたが、上り列車まで時間が空くので下り列車に乗ってみた。
隣の石川駅で下車。大鰐線にも同名の駅が存在するが両駅はやや離れており、どちらかといえば義塾高校前駅の方が近い。
すっかり暗闇のホームに2両編成の秋田行きが入線してくる。このまま宿のある大館へ向かう。
ちなみにこの日の宿は快活CLUBである。この大館店は何かの居ぬき物件なのか、内部が華やかな造りだった。
つづく