高尾山と言えば東京都区内から日帰りできる位置にあり、初心者にもやさしい山というイメージが定着しています。
近年では観光地としての整備も進められており、ミシュラン観光地ガイドでは三ツ星を獲得。国内外から多くの観光客が訪れ、今では「世界一登山者が多い山」となっているようです。
そんな高尾山には複数の登山道があり、詳しくはインターネットで調べていただくと簡単なのですが、恐らく一番メジャーなのは「1号路」と呼ばれるルート。薬師院やサル園、野草園などの見どころもあり、道も舗装されており登りやすいので多くの人で賑わっています。
8月14日、つまり高尾山登山の2日前、友人のひとりからLINEが入りました。
"高尾山行かね。気分転換に"
"いいよ"
そんなわけで行くことになり、高尾山なら楽勝だろうということで、普段通りの服装で集合場所の駅へ。この時点でほぼノープランです。
高尾山口駅に到着。新宿から京王特急で1時間弱で到着しました。この手軽さが高尾山の魅力、ですよね。
駅前に設置された高尾山のマップを確認です。なにせノープランなので・・・
とはいっても、無難に1号路を攻めるのだろうと思っていました。
"滝、見たくね"
という余計な一言がジワジワ効いてきて、なんと6号路という難易度高めの登山道を登ることに。
こちらが高尾山の登山道のルート。確かに6号路のところには「琵琶滝」という滝の存在が記されています。
しかしどうでしょうか、この見るからに危なそうなコース、1号路には何個もトイレが設置されていますが、6号路はケーブルカー清滝駅のトイレを逃せば、山頂までトイレがありません。絶対に普段着で行ってはいけないルートだと思いますし、結論から言うと普段着で行くべきではありませんでした。
しかしながら私が押されてしまい、6号路を登ることに・・・・
苔の生した趣深い道を歩きます。駅から登山口までのわずかな区間は舗装されていますが、このアスファルトはどこまで私たちを見守ってくれることでしょう。
というわけで、ついに1号路に別れを告げて、「6号路」へ。
神秘的な(意味深な)霧がかかった道を進みます。世界一の山、高尾山にも関わらず人と遭遇しません。この寂れた雰囲気はすごく趣がありますが、やはり不気味に感じられてなりません。
氷川神社スタンプラリーには惜しくも参加できませんでした。それはともかく、先ほどからすごく推されている「琵琶滝」は正直私も楽しみです。これだけ険しいルートで、これだけ推してくるからには、きっと立派な滝なことでしょう。それだけを信じて足を進めます。
でかい毛虫。彼が1面のボスですか。
ここから早速の砂利道ステージです。この時点でまだ登山開始から10分くらいしか経っていません。さっそくアスファルトが剥がれています。
私は一応しっかりした靴を履いていますが、一緒にいる子はスニーカーです。しかも薄いやつ。彼はマジで山をナメていると思います。
砂利道を歩き進むと、湧き水スポットが。飲むのは危ないかなと思って腕にかけると、冷たくて気持ちいいです。これも水が豊富な6号路ならではです。
登山道の横を流れる川もどんどん激しくなっていき、NHKのドキュメンタリー番組で鮭が必死に遡上していそうな小さい滝が点在しています。この日は涼しかったとはいえ夏だったので、この清涼感はいいですね。
「シャガ」という植物です(たぶん)。案内板にそう書いてありました。
薬効があるそうですが、どんな効くのか分からないのでここではパスしておきます。
登山道からは逸れた場所にある岩屋大師っていうやつ。岩屋大師についてはよくわからないのでグーグルで検索いただきたいのですが、神聖な場所だそうです。
岩屋大師からほどなくして琵琶滝に到着!
これかあ・・・って感じでしたが、よく見ると結構格好いいです。
多種多様な草木が生い茂っており、滝周辺の整備されたエリアはとても神秘的です。大自然の中というのも気持ちがいいものですが、私は人工物と自然が絡み合っているものが、とても美しいと感じます。
それにしてもこんな序盤で滝が出ちゃうと、このあと何をモチベーションにして登ればいいのか。ここを境に一気に体力的に辛くなります。
超でかいカタツムリ。やばすぎ
写真だと分かりづらいですけどね・・・
漫画とかでよくある木を倒して橋にするやつがありました。たぶん自然の力で倒れたものだと思います。怖いです普通にマジで。少なくともスニーカーで来る場所ではないです。
途中で分岐して木の柵で塞がれた道がありました。なぜ塞がれてしまったのでしょうか。奥は今どうなっているのでしょうか。廃道ってロマンの塊ですよね。
さらに奥へ進むと、横を流れていたはずの川と合流!
もはや川の中を突き進みます。どう考えてもスニーカーで来る場所ではないと思う。
でもたぶんここがラスボスですよね。もはやここまで来ると楽しくなってきます。
水ステージでも最初の方は飛び石があったのですが、終盤はどう頑張っても水に浸かることになります。しつこいようですが、もう一人の子はスニーカーで来ています。馬鹿です。ちなみにスニーカーの彼は今朝は朝食を摂っていません。
水ステージは最後に超険しい坂がありましたが何とかクリア。
と思ったら、目の前に立ちはだかる階段!
これはもうただの苦行ですが、ここまで来たら引き返すわけにいかないので、ひたすら上ります。
写真1枚で終わらせていますが階段エリアが一番きつかったです。きつすぎて逆に写真がありません。
そんなわけで山頂に到着。
さすがに達成感がありますね。これはクセになりますね。6号路だったからこその達成感だと感じます。
みなさんもぜひ。6号路で登ってみてください。ちゃんとした靴で。
山頂ではかけそばを頂きました。何の変哲もないお蕎麦ですが、これが超美味い。この達成感と疲労と空腹感の中食べるアツアツのお蕎麦は堪りません。(一応冷たいのもあります。)
遠くに街が見えます。正直思ってたのとは違った。
さて、この続きは下山とその後の話です。
さて下山ですが、さすがに6号路では帰りません。帰りは、4号路→1号路で帰ることになりました。最初の方に出した地図をご覧いただければ分かるのですが、4号路だと遠回りでも途中につり橋があるんですね。これは見てみたいということで4号路を選択。
4号路は平和なのかと思ったら倒木注意とか書いてある物騒な掲示がいくつも・・・
実際に結構険しめな道でした。
つり橋に到着。このとき頭がおかしくなっていたので、ファッションショーとかやりましたが、今考えれば面白くないですね。
でもやっぱりつり橋は楽しい!テンション上がります。帰り4号路はお勧めです。登りは階段が辛そうですが。
ついに天下の1号路と合流。流石、人がたくさんいます。4・6号路とは全く違う雰囲気です。日本のサブカルチャーも有名なコンテンツは人が沢山いますが、マイナーで人を選ぶコンテンツには人は集まりません。でもそういマイナーなコンテンツほど奥が深かったりしますよね。関係ないですけど。
山小屋風の素敵な駅舎、ケーブルカーの高尾山駅です。ケーブルカーに一度乗ってみたかったので下りですが乗ります。いやでも、方角的には"上り"になるのか…?
切符を券売機で購入すると、改札口でパッチンされます。イマドキ東京でやってくれるのはここくらいなんですかね。リズムよく切り込みを入れていく駅員さんの姿、格好いいです。
こちらがケーブルカーの車両。「もみじ号」と呼ばれている車両だそうです。日本一の急勾配とだけあって、独特な設備を誇っています。
車内は窓が開いており、崖やトンネルの壁が目前まで迫ってきます。これは楽しい。トンネルも古めかしくて良かったのですが、暗くて写真は撮れませんでした。
下の駅は清滝駅といいます。あっという間に着いてしまいました。
そしてあっという間に下山完了。往路の6号路は何だったのかというレベルで楽勝の下山でした。
そして・・・・・
ここから温泉に入ります!!!!
当然ながら脱衣所からは撮影NGなので画像はありませんが、とても気持ち良かったですよ。何種類もある露天風呂が良かった。
下山後は必ず来るべきだと思います。だって皆さん日帰りでしょう?
汗だくで電車乗るの、なんかイヤじゃないですか。
番。
ジェラートです。お風呂出たのが16時半過ぎていたので、お土産屋さんはほぼ閉店していました。残念。このジェラート屋さんしか開いてませんでした。
でも美味しかった。
というわけで帰ります。当然この写真は駅で撮っていますが、左側の建物が温泉、右手には雄大な山がそびえたっており、高尾山は「濃い」観光地だと感じました。全部駅から近いし楽しめます。
山もいいけどそれ以外でも魅力沢山の高尾山!
ぜひおでかけしてみてください。
おわり