新橋の駅で地下鉄からバスやJRに乗り換えるとき、いつも気になっていた新橋界隈の古いビルを中心に探検してみました。
こちらがそのビル。JR、地下鉄、ゆりかもめのそれぞれの新橋駅から至近距離にあります。さらに地下鉄とは通路で繋がっていて、アクセス良好の超一等地となっています。
そんな場所にありながら、東京都心らしからぬ古い臭いが伝わってくると思います。
すぐそばの柵に覆われたスペースには過激な思想を前面に押し出した張り紙。この張り紙を張った主を調べてみると、インターネットの活動報告の更新が14年前に停止していました。張り紙にある皇紀2660年は西暦で2000年だそうです。以前は日本中にあったようですが、今となってはある意味「レア張り紙」と化しているようです。
地下鉄乗り場への通路。都営線や京急線、京成線はしっかりと看板に印刷されていますが、途中で「北総開発鉄道」から名前を変えた北総線は雑なテプラ風になっています。とはいっても、ぼくが生まれた時にはとっく北総線でしたけどね…。
少し歩いて別の地下入口。ルノアール新橋汐留店の脇にあります。こちらは国鉄新橋駅や営団地下鉄の案内が。国鉄は現在はJRに、営団地下鉄は現在は東京メトロとそれぞれ既に変わっていますから、まさに時が止まっているような状態です。特に国鉄に関していえば民営化されたのが1987年のことですから、既に30年以上経っています。
この連絡口、外壁も赤レンガでレトロな感じです。細かい話ですが、左上の「しんちか名店街」は現在は「ウィング新橋」へと変わっているそうです。
階段を下ってしまえば中は明るいです。これがそのウィング新橋で、名前だけではなく建物もリニューアルされています。この通路との差はすごいですね。頭が混乱しそうなくらい時空がゆがんでいます。
そこから移動し新橋駅前ビルへ。こちらはまだまだレトロな雰囲気が濃く残されています。
狭くて急な階段。てすりもかなり年季が入っていて、ツルツルになっています。ここは暗くて足元が良く見えないので、注意が必要です。
地上へ出る階段。ここで用を足してしまう人向けのポスターがありますが、2020年の都区内でこういった注意書きはなかなか見られないような気がします。
案内表示。今はピクトグラムや英語、追加で韓国語、中国語などで書かれている案内看板も増えてきましたが、ニュー新橋ビルは「階段→」と非常に素っ気ない案内になっています。オリンピック開催を目前にした東京において、これが駅前に残っているというのは奇跡に近いです。
床に描かれた案内。こちらも当然のように営団地下鉄のままです。それでいてお手洗いは大文字アルファベットで「TOILET」。たまらないですね。
今回の探検で一番興奮を覚えたのはこのエスカレーター。丸みを帯びたボディに全照明式(内側パネルが光っている!)になっています。かなり古いエスカレーターで、恐らく東京では片手で数えるほどしか残ってないと思います。照明が切れているものも偶に見かけますが、フル点灯で残っていると更に格好いいですね。一周回って新しく見えてきませんか。
出入り口から出ます。定礎を発見したので撮影。昭和41年ということで、令和2年の今年で54歳ということになります。
外観。金属の板の飾りがオシャレですよね。当時としてはかなり斬新な建物だったのだろうと想像します。
そんな新橋駅界隈ですが、付近のビルの老朽化から2023年に再開発が決まっており、この駅前ビルも大きく姿を変える可能性があります。今のうちに訪れておきたい場所です。立ち食い麺屋があったので、今度はお腹を空かせて食べに行ってみようと思います。
おまけ。古い都バスの停留所。丸い板に手書きのスタイルの停留所で、都バスの停留所としては初めて見ました。「広尾病院前」「橋85」といった文字が透けて見えており、調べてみると橋85系統のバスはおよそ30年ほど前に廃止になったようです。広尾病院前という停留所も橋85系統にあったようで、廃止の時に新橋駅前降車専用に転用したと思われます。
おわり
(2020年2月2日:北総線に関する記述に誤解を招く表現があったため、訂正しました。)