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小樽から旅を再開します。引き続き函館本線に乗ります。この小樽から長万部の区間は「山線」とも呼ばれていて、列車の本数が少ないローカル線区間になっています。そのぶん愛好家からの人気は非常に高いようです。
2両編成のディーゼルカーは雪深い山の中を進んでいきます。もしここに線路が通っていなかったら絶対に一生見ることはなかったと思われる場所、そんな場所を直に見ることができるのもローカル線旅の醍醐味だなと感じました。
北海道の自然の厳しさも山線で一番感じたかもしれません。もしここで列車が故障したり、運休したりしたら本当におしまいだなと不安を覚えました。その不安感や孤独感が旅を濃くしてくれるような気がします。北海道良いですね…。
行き違いのため停車するとのことで停車した小沢駅、時間があるようなので降りてみます。
がらんとした無人駅でしたが、木造の古い跨線橋が素敵な駅でした。いつごろ造られたものなのでしょうか…?
対向列車が来ました。雪の中にある質素なホームに入線するディーゼルカー。良い駅です。
旅を再開。防雪林の中を進み倶知安駅を目指します。
噂には聞いていましたが外国人が多くて驚きました。日本人は私と、地元のお年寄りが2~3人いるだけのようでした。今はリゾート地としての開発も進み、2030年度には新幹線も開業予定。近い将来、ほぼ確実に町の雰囲気はがらりと変化していることでしょう。
跨線橋です。骨組みと狭い窓が素敵です。これも新幹線の駅が完成したら建て替えられてしまうのでしょうか。
構内には広大な鉄道用の敷地もあり、山線区間においては重要な駅の1つになっているようです。良い雰囲気なのですが、これが楽しめるのも新幹線開業前の今だけということになりそうです。
移動を再開。車内は非常に国際色豊かです。出発前に外国人の乗客が駅員さんに行先を訪ねていましたが、駅員さんも慣れているようで英語で案内していました。
そんな乗客の数もだんだんと減っていき、再びローカル線旅っぽくなってきました。白と黒しかない車窓が本当に美しいです。
コンテナ改造の駅舎。昨日見かけた車掌車改造のものよりも更にシンプルです。雰囲気満点ですが、長い間ここで列車を待つことを考えると寒そうではあります。
(この旅2度目の)長万部駅に到着。今回は接続時間がかなりあるので降りて探検してみることにします。
ここも新幹線駅が設置される予定になっていて、開業したら全く違う雰囲気になることでしょう。同時に駅の高架化も予定されているようですし。
木製電柱を発見。 都区内ではほとんど見かけることが無いので見つけると嬉しくなります。未だにこうして使命を全うしている木製電柱を見ると応援したくなります。
更に進むと案内板が見えてきました。 "温泉近道"ということなので看板に従うことにしました。
古ーい跨線橋がありました。かなり年季が入っているようです…。当然ながら自動車は通行できないので看板に従ってはいけません。
上からの眺め。鉄道の用地はかなり広大で迫力満点ですが、そのぶん細くてボロボロの跨線橋にはスリルがあります…。ちょっとだけ怖いです。
でも碍子をこんなに間近で見られるスポットはなかなかないかもしれません。特に詳しいわけではないですが観察してしまいました。
鉄道の街として栄えていただけに今でも重要そうな施設やたくさんの線路が見渡せます。今の北海道の鉄道は特急列車が主役で、わざわざ長万部を訪れる人は多くはないのかもしれませんが、ローカル線が元気だった時代を少しだけ感じ取ることができました。
木製電柱その2。JRの敷地内と思われる場所にありました。
渡りきったところに猫ちゃんがいました。警戒心が強くて触らせてくれる子ではありませんでしたが、かわいいです。寒い北の大地で孤独に一生懸命に生きているのですね。
街の歴史や資料を展示している「長万部町民センター」、ここに寄ってみようかと思ったのですが新型コロナウイルスの影響で閉館とのこと…。残念です。周囲には温泉もありましたが、閉まってそうな雰囲気でした。民家はあっても人もほとんどで歩いていませんし、ちょっと寂しかったです。
つづく