初回
前回
駅の中に入っている観光協会でレンタサイクルを借りました。酒田は駅が市街地と少し離れたところにあるので、自転車を借りると楽です。
自転車の鍵と一緒に観光マップも頂きました。受付のおじさんがは、やはり「山居倉庫」がおすすめと仰っていたので、山居倉庫を目指すことにしました。
これまでずっと列車内に閉じこもる旅だったので、久しぶりに自転車に乗って風が気持ち良かったです。自転車の方もきちんと整備されていて乗りやすい自転車でした。
ほぼ真っすぐ進むだけなので、迷うことなく10分くらいで着きました。駅側から行くと、土蔵造りの美しい倉庫が整然と並んでいるエリアから入ることができます。ここは現在も倉庫として使われているようで、関係者以外は奥に立ち入ることはできません。
裏側へ回るとケヤキ並木の風情ある道になっていて、ここは一般人も通行することができます。このケヤキは本来は風よけ・日よけのために植えられたものだそうで、空調設備などはなかった当時の苦労がうかがえます。
そもそも山居倉庫は1893年(明治26年)に酒田米穀取引所の付属倉庫として建てられました。川と川に挟まれた積み下ろしに便利な場所に立地しており、現在も倉庫として現役です。その風情からNHK連続テレビ小説「おしん」のロケ地としても使われました。
その後も観光ポスターなどにも起用され、有名観光地となっています。
川の方へ回り「山居橋」を渡ってみます。ここは車両乗り入れ禁止なので、自転車は手で押して渡る必要があります。
ここも非常に風情のある良い橋です。歩道の部分は木で覆われていますが、頑丈で重厚感もあります。
駅の方へ戻ります。途中で本間家旧本邸をチラ見。
ワンコインランチというお店を見つけたのでここで昼食をとることにしました。
ワンコインランチ(700円)。とても美味しかったです。
スリーコイン払ったような気がしますが、稀にこのようにワンコインではない日があるのかもしれません。
気を取り直して列車の旅を再開。羽越本線を南下していきます。この区間は電化されているはずですが、車両はディーゼルカーでした。
ここでもボックスシートを独り占めです。発車直前に人が増えてきて、特に鉄道マニアの方が多いなと感じました。不思議に思い彼らの話を盗み聞きしたところ、この列車は3月13日(翌日)で引退してしまうとのこと。最後に乗ることができてラッキーでした。
そんなクラシックなディーゼルカーに揺られて日本海を眺めます。確かに窓が少しくすんでいますが、それもまた味わい深く感じられます。
駅前。"良い"です。とても。歓迎塔も渋いデザインです。
今度時間があるときにじっくり見てみたい街です。
ホームにはなぜか金魚がいました。
ここから一気に新潟駅を目指します。先ほどまでとは打って変わって新型の電車。車内の空気が爽やかで揺れも少ないし、速いし、窓もくすんでおらず快適でした。
新潟駅に到着。絶賛大工事中です。
とりあえず信越本線に乗ってみます。まだ時間が早いのでこれで直江津まで行こうと思ったのですが、直江津での折り返し時間がギリギリで危ないということが判明したので、1つ前の停車駅の犀潟まで行ってみることにしました。
ドアは手で開けるタイプの古い電車でした。そういえば最近まで群馬の方でも手動ドアの電車が走っていました。とても懐かしく感じました。
新潟駅を出ると何駅も通過してぐんぐん飛ばして行きます。あっという間に田んぼの中を走っていました。
陽が沈んでいきます。だんだんと傾いていき、見えなくなる瞬間を観測できました。乗客も少なくなっていきました。特に長岡や柏崎で多くの下車がありました。
というわけで、新潟県をほぼ縦断し犀潟駅に到着。分岐点になっているので、ある程度賑わっている駅なのかと思いきや、私以外に下車する人はいませんでした。
乗って来た快速列車が闇に消えていきました。急に不安になってきます。
驚くほど真っ暗です。信越本線は何度か乗っているので犀潟駅の存在も知ってはいたのですが、まさか夜にはこうなってしまうとは。
1人寂しく列車を待ちます。何もない駅、誰もいない駅というのはそれはそれで魅力的なので、別にいいのですが。
時間通り列車がやって来ました。一安心です。ワンマン列車だったので乗り方に一瞬戸惑ってしまいました。危なかった…。
長岡まで戻ってきました。ここは明るい大都会です。
本日のお宿は「スーパープライスホテルインパクト2002」さんです。
やらしい話ですが、こちらはこの旅の宿の中で最高値(3500円)です。駅近で綺麗なホテルなので、コスパとしてはむしろ良いと思います。
3月12日【5日目】
移動距離…約553km
歩数…7814歩
つづく
2020年7月6日:一部表現を訂正。