高宮の日本のどこかにいるブログ

個人的なぶらり途中下車の旅。

石川の旅(8)〈夜行新幹線と化した遅延かがやき518号乗車記〉

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新幹線ホームへ向かうと、人々がなぜか慌ただしくしています。

 

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どうやら運休している区間があるようです。再開予定時刻が21時ということですが、幸いにも僕が乗車する新幹線も21時ちょうど発の新幹線なので、それほど影響を受けずに済みそうです。

 

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僕が乗る新幹線の1本前の「かがやき」である516号は運休となり、これがそのまま518号(=僕がのる予定だった新幹線)に仕立て上げられました。幸運なことです。この516号の乗客も518号に乗ることが許されました。コロナ禍ということもあり、それでもなお空席がある程度の混雑でした。

 

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北陸新幹線|[かがやき518号]東京|金沢(2100+124=2304)→東京

さて、乗車記録の部分でネタバレしていますが、結果的に言うと21時の運転再開は叶いませんでした。なんと、長野と佐久平の間の線路に農業用のビニールハウス(!)が飛来して、不幸にも列車がそれと衝突してしまったようです。それに加え現地では激しい雨が降っており、復旧にも時間を要しているとのこと……。自然相手のことは仕方ないですから、今日中に帰ることができればいいやという気持ちで新幹線の車内で待機することにしました。

 

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なかなか動く気配のない新幹線。時折アナウンスが入りますが、運転再開見込みはないということが繰り返されているのみでした。

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ちなみに北陸新幹線は全ての座席にコンセントがついていて、これには本当に助けられました。結果的に金沢駅を出発したのは、2時間4分遅れて23時04分となりました。この時点で、すでに本日中の帰宅は絶望的となりました。

 

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それでも新幹線が動いている、それだけで安心します。

 

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続いて富山に停車。まだ復旧作業が終わってないということで時間調整のためここでも約20分の停車。遅れは145分となりました。

僕が乗っていた6号車は非常に空いていたので、乗客たちは前の座席を転換して足を伸ばしたり、3列シートに横になったりしていました。通常は指定席なので推奨される行為ではありませんが、この日は車掌さんも黙認しているようでした。

 

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富山の次は長野まで止まらない予定でしたが、途中の上越妙高で臨時に停車しました。隣には先行の「はくたか576号」が止まっていましたが、かがやきのドアは開かなかったため乗り継ぎは出来ないようでした。(最終的にははくたかが長野まで先行し、長野で別の列車に乗り継げたようです。)

 

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上越妙高を出発。おはようございます。8月23日となりました。この時点で遅延時分は180分となっていました。それにしても、深夜0時を回っても新幹線に乗っているなんて貴重な体験ですよね。

 

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長野に到着。ここまで大変お世話になった乗務員の方々が交代していました。ありがとうございました。ゆっくり休めるといいのですが……。

 

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さて、長野を出ると「はくたか」に乗るはずだった乗客を救済するため、上田、軽井沢、佐久平、高崎とほぼ各駅停車で進むという案内がなされました。この時点で、上野に着くのが3時近くになってしまうことが確定しました。すでに体力も限界でしたし、終電がとっくに切れた上野から歩いて帰宅する力も残っていませんでした。このときはさすがに危機感を覚えました。

 

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各駅に停車しながら「かがやき518号」は順調に遅延を重ねていきます。ビニールハウスが飛来した区間は無事に通過し、ついに関東、群馬県高崎駅へ。時計を見ると、すでに2時を過ぎていました。

ここでこの乗客に向けてアナウンスが入りました。

上野駅も東京駅も終電が終わっており乗客が路頭に迷ってしまうため、東京駅に仮眠用新幹線を用意してあるとのことでした。大宮や上野まで切符を持っている乗客も東京まで乗っていいということでした。非常に安心しました。

 

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駅から放り出されることはとりあえず無くなったので一安心です。

 

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そして東京駅に到着。結果的に200分以上遅れてしまいました。しかし乗客で苛立っているような人は見かけず、むしろ一体感のようなものさえ覚えました。

階段を下りて22、23番線ホームへ。

 

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新幹線用ホテル1号! こちらは満席でした。ちなみにこういった仮眠用新幹線のことを「列車ホテル」というそうです。

 

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私が宿泊した列車ホテルはこちら。男性用、女性用、家族連れ用とエリアが分かれていました。

 

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乗車口ではアルミの毛布や乾パン、お茶、マスクなどが配給されました。

 

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車内はこんな感じ。2列シートで寝る人もいれば、3列シートで横になる人もいます。僕は3列シートに横になりましたが、起きた後身体が痛かったですね……。2列シートで素直に座ったほうがよかったかもしれません。

「列車ホテル」はあくまで始発までの仮眠ということで、5時になったら一度放送を入れてくれるということでした。

 

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おはようございます。なんとか5時前に起きることに成功しました。今日発車する予定の新幹線が案内板に現れていました。

 

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昨日乗ってきた「かがやき501号」も!

 

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京浜東北線|[各駅停車]大宮|東京(0445)→上野

そして始発の京浜東北線で帰ることができました。(上野までは無賃送還していただきました。)新幹線が遅れて大変な状況であったにもかかわらず、職員の方がいつでも丁寧に対応してくださり助かりました。またTwitterでアドバイスをくれた方や励ましてくれた方にもこの場を借りて感謝いたします。

 

最後は想定外の大事件に巻き込まれてしまいましたが、北陸新幹線並びに石川県の旅はすごく満足のいくものになりました! 新型コロナ第2波が再び叫ばれるようになりましたが、慎重かつ適切な判断をしながらいつか訪れてみてほしいです。素晴らしい場所です。

 

移動距離:約1385km

歩数:約22600歩

 

おわり