高宮の日本のどこかにいるブログ

個人的な旅行記です。

駅めぐり#1「信濃竹原駅(長野)」

旅に出ることができない状況が続いております。

そのためブログ記事として書くべきことも無いので、過去に訪れた駅のなかから特に印象深いものを、ここで紹介していくことにいたしました。

1駅目は長野県の信濃竹原駅です。前日に新宿駅を出発した夜行列車で白馬駅に着いたあと南下し、長野駅から長野電鉄というローカル私鉄に乗り継ぎ、途中の信州中野駅でさらに乗り換えて訪れました。

 

訪問日:2018年3月16日

 

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昔の日本の通勤電車は、金属製であるにも関わらず柔らかい印象を受けます。角を丸くした車体の造形がそうさせているのだと思いますが、最近の鉄道車両(に限らず乗り物全般)にはない愛おしさがあります。

そんな列車の小さな窓から景色を眺めていて、本当に突然引き込まれるようにして降りてしまったのがこの駅でした。

 

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長野電鉄線の信州中野湯田中の間は列車の本数が非常に少なく、この駅に停車する便は日中は毎時1本以下になっています。

 

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そのような事実は、列車を下りた後に知りました。結果的にこの駅で1時間以上も滞在せざるを得なくなったわけですが、この判断は今でも後悔していません。

 

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木造駅舎、ホーロー製の駅名標、錆ついた看板、氷のように薄く冷たい窓ガラス━━。博物館の展示品ではなくあくまでも現役の駅舎であるため、歴史的な建築がそれ相応には朽ちていました。しかしそれがまた一層趣深く感じられました。

 

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1927年に建てられたというこの駅舎。このときは既に無人化されており人影もまばらでしたが、かつては貨物列車の拠点として賑わっていたそうです。

 

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その痕跡を探すため駅周辺を歩いてみることにしました。

 

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はじめに目に入ったのは、駅舎に隣接しているこの建物でした。劣化してしまったトタン屋根と風化しかけている木製の外壁は、駅舎にも劣らない味わいがありました。

 

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煙突が突き出ており、内部には生活スペースのようなものもあったので、かつて鉄道員たちの拠点として利用されていた建物であると思われます。

すでに廃墟同然の状態となっており、遠目で見た限り内部にはオードリー・ヘプバーンの写真と、衣類をかけるハンガーがいくつかあるだけでした。

 

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そのもうひとつ隣にも建物がありました。これはさらに風化が進んでおり、傾いてしまったり屋根が崩落してしまったりしていました。

 

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こちらは生活感は皆無で、人が暮らせるような建物ではありませんでした。貨物列車の積み荷を取り扱っていた建物なのでしょうか。

 

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そこから戻って駅舎を通り過ぎて踏切を渡り、下りホームへ行きました。この駅は上りホームと下りホームの間を直接往来することはできないため、一度道路へ出て踏切を渡る必要があります。

 

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その踏切と駅のホームとのわずかな間には小川が流れていて、そこにも律儀に鉄道の橋梁が架けられていました。

 

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列車の発車時刻が近づいていたため、上りホームにあるトイレで用を済ませることにしました。ここには小さな朝顔形小便器と、

 

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汲み取り式の便器がひとつずつありました。トイレそのものは鉄筋コンクリート製の建物のなかにあり、比較的清潔な状態が保たれていました。

 

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列車が来るまで下りホームの待合室で過ごすことにしました。上りホームの駅舎ほど立派なものではないですがこれもかなりの年代物で、木製の長いベンチは温もりを感じました。

 

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対向ホームの駅舎を再び眺めると、やはり味わい深い良い駅舎でした。1時間とすこしの滞在では物足りないほどで、去ってしまうのが名残惜しくも思えました。

 

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広い構内に2両編成の古い通勤電車がゆっくり入線してきました。かつての盛況に思いを馳せると、今のこの静寂が一層際立って感じられました。

 

 

 

おわり

 

参照資料