初回
札幌駅の職員の協力を賜り、翌日以降の活動にある程度見通しが立った。いずれにせよ、今から札幌を出ることは難しいので、この日は市内で過ごすことにした。
しかし、積雪が残っているため、活動は徒歩で行動できる範囲内に限られてしまう。
したがってまずは、札幌駅から10分ほど歩き、まずは北海道庁旧庁舎を訪れた。
明治時代に建てられたというこの庁舎は、何と言っても外壁の赤レンガが印象的である。通常は内部公開も行われているようだが、北海道にまん延防止等重点措置が適用されていることをうけ、残念ながらこのときは取りやめられていた。
見学を終え、大通を西へ進んだ。
大通の積雪はあまりに深く、歩行も困難なほどであった。地元の家族連れは、そりを曳いて遊んでいた。
必死の思いでたどり着いたのは、旧札幌控訴院。大正時代の建築であるが、外壁に札幌軟石を用いている貴重な存在であり、国の重要文化財に指定されている。
この施設は現在は資料館として活用されており、ここでは内部の公開も行われていたので、見学させてもらうことにした。
当時の法廷の様子が再現されている部屋。札幌控訴院は、戦後もしばらくの間、札幌高等裁判所として機能していたということである。
弁護人、検事、判事が当時着用していたという法服も展示されている。襟の刺繍にそれぞれ差異がある。
余談だが、被告人が待機していたとされる小部屋には、レトロな換気扇が設置されていた。
別の部屋では、札幌市の発展の歴史が資料と共に展示されていた。特に市営地下鉄の開通に関するパネルやビデオは見ごたえがあり、必見である。
外に出て、細部の装飾を眺めてみた。
司法の象徴たる天秤もあしらわれている。
まだ日も高いので、さらに歩を進めた。
市電が来たので、記録的な積雪と絡めて撮影してみた。
この車両のほうが札幌らしいな、などと考えながら、思わず凝ってしまった。写真撮影は奥が深い。
そのまま軌道敷に沿って、すすきのの中心部まで歩いてきた。
この日の宿「CityCabinすすきの店」は、すすきのの中心部に立地している。
カプセルホテルのような小さい客室だが、スペースにはかなり余裕がある。清潔感もあり、快適だった。ちなみにベッドの横にある照明は、色を変えて楽しむことができる。
この宿から徒歩1分のところにセイコーマートがあったので、ここで夕食を購入することにした。
宿に戻り、キッチンスペースを拝借。
セイコーマート名物の100円パスタと、大根の粕漬を頂いた。
翌朝の特急列車に備えて、この後は早く床に就くことにした。
つづく