初回
前回
根室から折り返してきた列車にのり、いったん釧路方面へ引き返す。この区間は単線なので、こうして行ったり来たりを繰り返すことで、より多くの駅を訪問することができる。
列車の最後部からの眺めを楽しみながら、往路の車窓を見ていて惹きつけられた別当賀駅を目指した。
30分ほど列車に揺られ、別当賀駅に到着した。このときこの駅で降りたのは、私だけだった。
この駅の駅舎は、車掌車を改造したものが使われている。
内部の様子。特に窓周りを中心に、鉄道車両の面影がある。
根室方面は、毎日4本しか来ないようだ。次の列車は、10時17分。これに間に合うよう、周辺を散策してみることにした。
駅からまっすぐ伸びている道路を歩く。
5分ほど歩くと、別当賀神社という小さな神社を見つけた。
せっかくなので参拝を試みたものの、積雪に阻まれて接近することができった。
しかし、この小さなお社が雪に埋もれているのも、また風情がある。
引き続き湿原の中を歩き進めていると、雪が降ってきた。さらにこの先には何もなさそうなので、引き返すことにした。
駅に戻ってきた。
古い駅名標を活用した珍しい案内看板。すでに廃止された初田牛駅の表記も確認できる。
駅ノートに書かれた様々な想いを読みながら、列車を待った。
どんなに小さな駅にも、必ず物語がある。
湿原を走り、東へと向かう列車。
再び30分ほど揺られ、ついに根室駅に到達した。
古い駅舎から、多くの乗客が一斉に降りていく。駅弁を買う人や、タクシーに乗り継ぐ人など様々いた。
日本の線路の東の終端。思えば遠くへきたもんだ。
レールを再利用したホームの屋根と、その下で待つ2両編成の列車に雪が降る。
ここまで乗ってきたこの列車で、私はそのまま釧路へ戻ることにした。
まだ昼前だが、気分が高揚し、車内でチューハイを開けてしまった。
雪景色をつまみに「呑み鉄」を楽しむ。
湿原を貫くまっすぐな線路。快速列車は小さい駅は通過しながら、釧路へ急ぐ。
釧路駅に戻って来た。外が明るくなったので、改めて駅舎の外観を撮影してみた。
つづく