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2022年2月14日(月)
朝6時。呼人旅館に別れを告げる。
始発列車に間に合うよう、呼人駅まで歩いた。
雪が本降りになってきたので、跨線橋の中で列車を待った。発車時刻が近づいてくると、もうひとり学生がやって来た。
上りの始発列車に乗る。ディーゼルカーを3両も連結していたが、車内は学生で賑わっていた。この列車の行先である西留辺蘂という駅は、あまり聞きなれない駅だが、大規模な学校があるのだろうか。
15分ほど揺られ、私はひとり、西女満別という駅で降りた。驚くべきことに、私と入れ違い、この駅から乗る学生もひとりいた。
というのも、この駅は、石北本線でも有数の秘境駅として知られている。ここは女満別空港の最寄り駅でもあるが、空港の利用客は他の主要な駅から連絡バスを利用する場合が多く、当駅から徒歩で向かう人はほぼいないようである。
雪が激しかったので、駅舎の内部で待機することにした。
ここでも駅ノートを読みながら、列車を待った。
人の足音すら聞こえない、静寂の世界。
遠くから列車のジョイント音が聴こえてきた。この列車に乗り、網走へ戻る。
こちらも多くの学生で賑わっていた。
列車は網走に着き、大量の乗客を吐き出した。
私も駅を降りて、駅舎を見学することにした。この駅の駅名を掲げた看板が縦書きなのは、網走刑務所を出所した受刑者が、再び横道に逸れることがないように、という願いが込められているという。
待合室のテレビで地元のニュースを観ながら、この日の予定を確認した。
この駅からは再び釧網本線に戻り、名物列車「流氷物語号」に乗ることにした。昨日の流氷では満足できなかったため、再挑戦することにした。
改札が始まると、待機していた乗客たちが一斉に列車に乗り込んだ。
この流氷物語号は、今シーズンは指定席が設定されたほか、車両も特別仕様のものが使われているということである。
つづく