高宮の日本のどこかにいるブログ

個人的なぶらり途中下車の旅。

‘22富山の旅(4)「欅平→新魚津」

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黒部峡谷鉄道|[普通]宇奈月欅平(1431)→宇奈月

本来はもっと遅い時間の便を予約していた。しかし空席があるということなので早い便に振り替えてもらった。柔軟に対応していただきありがたかった。欅平での滞在時間は、食事や入浴を含めても4時間ほど確保すれば十分だと思う。

 

せかくなので、復路では往路とは反対側の座席に座ることにした。気温も一段と低くなってきた。湯上りの身体が冷えはじめ、トロッコの揺れも心地よく、まどろんでしまう。

 

この東側の席に座ると、ほとんどの区間黒部川を見ることが出来ない。そんな車窓の見どころといえば、この冬期歩道くらいである。冬期歩道とは、トロッコが走らない冬の時期に、工事関係者が使用する歩道ということである。

 

終点の宇奈月駅に着く直前に、再び黒部川が東側に現れてくれる。赤い山彦橋と紅葉が美しい。トロッコのあるこの景色が、急に名残惜しく思えてきた。宇奈月駅に着くと乗客たちが一斉に降りていく。この時間になると、ほとんどの人は宇奈月で宿泊するようだった。

 

富山地方鉄道本線|[普通]電鉄富山宇奈月温泉(1526)→新魚津

私は地鉄宇奈月温泉駅から引き続き移動する。鳩のヘッドマークが印象的なこの電車は、京阪電鉄からやって来た「テレビカー」と呼ばれる車両である。塗装も京阪時代のものを再現しており、当時の面影を色濃く残している編成である。

 

規則的に並んだ二段窓と、それにちょうど一致して配置された転換クロスシート。やはり昭和期の鉄道車両は芸術的である。

 

柔かく暖房の効いた車内で溶けかけたチョコレートを食べながら、地鉄本線を行く。激しい揺れ、古い木造駅舎、遠くに見える山々。こちらもトロッコ列車に負けない良い列車旅を味わえる。

 

40分ほどで新魚津駅に到着。

 

当駅は北陸本線から転換された第三セクターの「あいの風とやま鉄道」の魚津駅と隣接しているターミナル駅だが、地鉄側のホームはどこか昔懐かしい雰囲気が漂う。

 

魚津の駅前には「うおづのうまい水」という湧水を汲める設備がある。クセのないすっきりとした美味しい水が飲み放題である。

 

駅から10分ほど歩き、スカイホテル魚津アネックスというホテルに着いた。この日はここで一泊することにしていた。全国旅行支援と魚津市の旅行支援を併用し、大幅に安い料金で泊まることができた。

 

客室からは、あいの風とやま鉄道線富山湾を眺めることができる。

 

隣接する系列ホテルにある「かづみ野」という日本料理屋で夕食を頂く。

 

まずは富山湾で獲れた食材を中心に使ったという御膳。素材を生かした上品な味付けが嬉しい。

 

地酒「立山」も注文。フルーティで軽やかな味わいが特徴である。

 

こちらはゲンゲという深海魚の唐揚げ。ふんわりとした独特な食感が楽しい。

 

富山名物の白海老の唐揚げもいただく。サクサクとした食感と、塩気の効いた甘い海老の風味が口いっぱいに広がり、お酒が止まらなくなる。

 

身体が幸福で満たされ、この日はそのまま眠りについた。

 

つづく