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山形の朝。今日も寒そうである。
この日は奥羽線、東北線、磐越西線経由で会津若松を目指す。したがって移動距離はさほど長くない。そこでいくつか寄り道ながら目指すことにした。
まずは仙山線で宮城との県境付近まで移動する。
列車は身体で感じられるほどの急勾配を上がっていく。気が付けば一気に山深い場所を走っている。
30分ほどで面白山高原駅に着いた。この駅は仙山線における山形県内最後の駅で、次の奥新川から宮城県である。
先ほどの列車が、この日、面白山高原に止まる最初の列車である。他に降りた客はいなかったので、この美しい秘境駅を存分に味わいたいと思う。
駅の外に出るため階段を上がってみる。全く除雪がされていないうえ先人の足跡もなく、恐怖である。
ホームからは遠くに川が見える。
このような駅にも立派な待合室があるのが、さすがはJR東日本といったところである。
下りの始発列車で山形に戻る。噂以上の素晴らしい駅だった。
さて、山形からは奥羽本線を南下し米沢へ移動する。
それにしても久々の晴天が気持ちいい。
米沢に着いた。ここでも一度脇道に入り、米坂線で今泉まで行ってみることにした。
30分ほどで今泉に到着。現在米坂線は災害の影響で今泉~坂町間が不通となっており、この駅で折り返している。
そのまま米沢に折り返す。どういうわけか大量の外国人観光客が乗っていた。
米沢駅前のスーパーで食料を仕入れて、再び奥羽本線に復帰する。
そんな奥羽線の車内で昼食をとる。デザートはずんだ餅にした。なおこの置賜地方では「じんだん餅」と呼ぶのが一般的だそうで、店頭でもその名前で売られている。
列車は険しい板谷峠を懸命に越える。
福島から東北本線に入り、さらに郡山まで南下していく。久しぶりに混雑した列車に乗った気がする。
郡山から磐越西線で西へ。この列車の終点が、本日の目的地である会津若松である。今朝の面白山高原の積雪で靴下が濡れ、寒さで身体が冷えてきてしまった。
冬なので日が落ちるのも早い。
この日の宿は駅すぐに「駅前フジグランドホテル」にした。宿泊客は隣接する温泉施設も利用でき、私も大きな温泉で体温を回復することができた。
つづく