初回
前回
大館は雪が舞う寒い朝であった。まずは花輪線に乗って盛岡を目指す。
大館発車時点では乗客は少なかったが、徐々に学生が増えていく。
この列車は始発なので、どの駅も雪の中に眠っている。列車はそんな静寂の雰囲気の中を走る。
日も出てきた。花輪線は決して有名な路線ではないが、それゆえに本来のローカル線らしい雰囲気を味わえる。
盛岡から東北本線に入り、岩手県を南下していく。時間に余裕があるため、途中下車しながら移動していくことにする。
木造駅舎が残る仙北町駅で下車してみた。付近にスーパーマーケットがあるようなので食料を調達した。
後続の列車で次なる駅へ向かう。
この花巻空港駅は、駅名に空港とつく駅としては渋すぎる趣である。
反対に下り列車でもうひと駅行ってみようと思う。
1つ戻った石鳥谷駅も木造駅舎が残っている。東北本線らしい歴史ある雰囲気の駅を楽しむことができた。
下り列車で北上へ。
北上からは再びローカル線の脇道にはいる。秋田方面へ向かう北上線に乗る。車両前面に付着した雪の量からも、過酷な走行環境がうかがえる。
しばらく市街地を走るとすぐに山の中に入る。氷に閉ざされた湖や、一面の白銀の世界に胸が震える。
美しい車窓に酒も進む。
新庄駅には、なんと本物の雪だるまが飾られていた。
ここから先は新幹線の車両も走る珍しい区間である。軌間も1435mmとなっている。
山形駅に着いた。この日は駅直結の山形駅西口ワシントンホテルに泊まることにしていた。
高層階にあり夜景がきれいなホテルである。
山形駅を発着する列車も見ることができる。銀色のE3系つばさがやって来てアツい夜となった。
つづく