初回
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広島からは再び山陽本線に復帰し、西進していく。この列車には外国人旅行客が大量に乗車しており、宮島への行き方を訪ねられた。
山陽線は瀬戸内海の近くを走る風光明媚な区間も走行するが、あいにく分厚い雲に覆われていた。
岩国では40分の時間が空き、下り列車に接続している。この日は遅れていた岩徳線の接続も待ち、さらに9分の遅れを重ねた。
天気が回復しないのも少し惜しい。
2時間ほどで新山口駅に到着。ここから宇部線に乗り換える。直前まで大雨が降っていたようで、ダイヤが乱れていた。
少し遅れて宇部線の列車が到着。地元利用客の他にも、ビジネス客の利用が目立つ。
まだ時間が早いため、途中下車をしながら時間を潰すことにした。まず降りたのはこの宇部岬駅。青い瓦屋根が印象的な木造駅舎が残っている。
さて、すぐ来るはずの折り返し列車が来ない。調べてみると、20分以上も遅れているようである。本当にここで降りて大丈夫だったのだろうか? 誰もいない雨の無人駅で、ひとり不安な気持ちになってくる。
ようやく来た新山口行きに乗り、行けそうなところまで行ってみることにした。宇部線は単線なので、反対方向の列車を逃すことはないと思う。
時刻表と睨めっこしながら、床波駅で降りた。事前リサーチで、当駅の付近にスーパーがあることを調査済みである。補給のためにスーパーに行こうと思ったら──
なんと対向列車は時間通りにやって来たのである。危なかった。次の列車を調べる余裕はなかったので、とりあえず乗るしかなかった。
車内で時刻表を見ていると、もう1駅は降りられそうだったので、岩鼻駅で降りてみた。こちらも古い木造駅舎が残る。構内では地元のお姉ちゃんがワルをしていた。
水路を備えた小路が駅前から走っている。駅前という一等地にありながら、人目を避けているような様も趣深い。
1駅折り返して居能へ。
この駅で小野田線に乗り換える。ここからの旅程は計画していた軌道に乗せることができた。
雀田で通称「長門本山支線」に乗り換える。この路線は1日に3往復しか運行されない「難関」として知られている。青春18きっぷファンとしてはぜひとも訪れてみたいローカル線のひとつである。
終点の長門本山までは約5分ほどの短い旅路である。特に何があるというわけでもないが、近くに海が見える。そもそも、この駅自体を目当てに来る人が大勢なのだと思う。
雀田で宇部新川方面へ先行する列車に乗り換える。ようやく本日のラストランナーとなる。この日は色々なことがあった。
宇部新川駅近くの「中華そば一久」で夕食を取ることにする。宇部市出身で、エヴァンゲリオンシリーズで知られる庵野秀明監督も愛しているとされ、一部では知られている。
宇部ラーメンは、良い意味で臭いと言えるほど濃厚な豚骨スープが特徴である。決して塩辛いというわけではない。豚骨好きな私としては病みつきになる味である。
この日は快活CLUB宇部中央店で一泊。やや小規模な店舗で、過ごしやすかった。
つづく