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ロープウェイに乗り、雨の大観峰駅を発つ。
既に乗客の少ないシーズンに入っているため、ゴンドラが風に煽られないよう、コンクリート製の重りを乗せて運行していた。
この黒部ロープウェイは、わが国最大のワンスパンロープウェイとして知られており、支柱の無いダイナミックな車窓を楽しむことができる。
黒部平駅では、そのまま黒部ケーブルに乗り換える。ここでは開業当時からの古い車両が活躍中であるが、その乗り場には先進的なホームドアが設置されている。
暖色系でまとめられたインテリアデザインも印象的である。
黒部湖駅に到着後、降車客が捌けるのを待って車両を撮影してみた。上部にひとつだけ配置された前照灯や、赤とクリーム色の塗分けも時代を感じる。
駅を出ると、黒部ダムの真上に出ることができる。既に観光放水は終了しているはずだが、なぜか水しぶきが見えてきた
まさかと思い覗き込んでみると、まだ放水が行われているようだったた。調べてみると、水位の関係で臨時に延長していたそうである。
階段を降り、間近で見学できる展望台へ移動。想像以上の迫力に圧倒される。思いがけない幸運に胸が躍った。
その後は付近の休憩所で一休み。破砕帯の水を使用したサイダーを頂いた。難工事に思いを馳せながら飲むと、だたのサイダーにも深みを感じる。
さて、黒部ダム駅から電気バス乗り場へ向かう。
この区間は以前はトロリーバスが活躍していたが、老朽化に伴い電気バスに置き換えられてしまった。先ほど乗車したトロリーバスに比べると個性が薄く、第一印象は普通のバスという感じである。
トンネル工事の難所だった破砕帯は、青いライトが目印となっている。
終点の扇沢駅に到着。ここでも冷たい雨が降っていた。
魚津の水を入れていたボトルがちょうど切れていたので、ここで破砕帯の水を補給した。軟水でまろやかなの魚津の水に比べると、こちらはすこし風味を感じる気がする。
この後は乗り継ぎ時間がかなり開くため、駅前に併設されているトロバス記念館を見学することにした。
ここでは、先代のトロリーバスが一台だけ保存されている。現役時代に乗ってみたかったものである。屋内にはその他にも興味深い資料が展示されていた。
バスの時間になったため、扇沢ターミナルへ戻る。ここからは北アルプス交通が運行する路線バスに乗る。乗客はそれほど多くはなかったが、海外からの旅行客が乗っていた。
バスは40分弱で信濃大町駅に到着した。
列車の発車時間が迫っており、急いで乗り場へ向かう。雨の大糸線というのも風情がある。
茅野駅で夕食を取り、後続の特急あずさで帰路に就いた。
おわり